良い詰め物悪い詰め物②
- 2023年5月4日
- 詰め物や被せもの
こんにちは!GWもゴーストタウンと化した麹町の中で診療を続ける独身院長の児島です!
みなさん、GW楽しんでますか?長かったコロナも終わり(?)海外や国内の旅行に出かけられている方も多いのではないでしょうか。
休日を思い切り楽しむためにも、お口の中の健康や美は必須です。
今日は虫歯で治療した場合、どんな詰め物をいれたらよいか、ということをお話ししていきます。
前回では保険の白い詰め物は強度が弱く、適合も悪いため、割れやすく虫歯にもなりやすいとお話ししましたね。
ではどのような詰め物が今後歯の健康を守ってくれるのか…
それはセラミックとジルコニアの詰め物です。
いわゆる歯科でよく使われているセラミックはニケイ酸リチウムと呼ばれるガラス系のセラミックです。
鋳造という高温にして鋳型に流し込んで作られる製法をとるので、プレスセラミックスとも呼ばれています。
私は詰め物や被せ物の材料の中でもこのプレスセラミックスが一番好きなのですが、
特徴としてとても美しいのです。
白い詰め物といっても、材料によって光の透過性や透明度によって見え方は全く違います。
例えば、保険のCADCAMインレーなどは、白いのは白いのですが、光の透過性も悪く、経年的に黄ばんでくるので、
「あ、つめもの入れてるな」とすぐにわかってしまします。
それだけでなく、このセラミック、虫歯にもなりにくいし強度も十分あるんです!
なぜ虫歯になりにくいのでしょうか。セラミックという材質はプラークを付着させにくいという性質があります。
その上に、鋳造という製法は精密に適合しやすいのでご自身の歯と詰め物の間に隙間ができにくいのです。
隙間があると虫歯菌はそこから歯の中に入り込んでしまうので2次的に虫歯になってしまいやすいのですが、それが起こりにくいという利点があります。
次は強度の問題です。咬合力はご自身の体重やそれ以上の負荷を嚙むときに歯にかけてしまうのですが、セラミックはそれに耐えうる十分な強度があります。
ではセラミックとともによく聞くジルコニアという素材。
実はセラミックとは作製方法が違います。プレスセラミックスが鋳造という高温にして流し込む製法だったのに対し、ジルコニアは口腔内スキャナーで口腔内の歯の形をスキャンした後、ミリングマシーンで削り出していきます。
ジルコニアもプラークが付着しにくく、とてもいい素材なのですが、製法が違うため、今はまだ若干セラミックの方が適合がよくなりやすいと言われています。
ただ、このジルコニアという素材、強度がめちゃくちゃ強いんですね。
人工ダイヤモンドと呼ばれる素材ですもんね、そりゃ硬いわ。
なので歯ぎしりとか食いしばりがあったり、対合歯(反対の噛む歯)が同じジルコニアな場合、ジルコニアをお勧めすることがあります。
虫歯になった歯に詰める詰め物なので、虫歯になりにくく、色や形が綺麗な詰め物を選びたいですよね。
ジルコニアやセラミックを入れる場合、歯の削り方が金属とは違います。また型取り材料も保険の粘土みたいなものとは違うシリコン印象材、もしくは口腔内スキャナーを使います。
シリコン印象材や口腔内スキャナーを使うことによって、より精密な印象が取れるようになります。
なので、歯科医は歯の型を取る前に、患者様から詰め物の種類を聞いておかなければなりません。
歯の型を取った後に詰め物の種類を聞いてくる歯医者や、粘土みたいな型取り材料でセラミックやジルコニアの型取りをする歯医者には注意してください。
セラミックとジルコニアを歯科医がお勧めする理由がおわかりいただけたでしょうか。
確かに保険の詰め物よりは高くなってしまうのですが、今後また虫歯になって神経の処置をすることになると被せ物になり、被せ物がダメになると今度はインプラントになります。
いかに軽症の時に今後の対策を立てておくかが健康面でも経済面でも被害を最小限にする鍵になってきます。
ではでは、詰め物のお話はこれくらいにして、私もGWの寂しさをお酒で紛らわしに行ってきます!