歯科ドック始めました①
- 2023年5月30日
- 検査が重要
皆様こんばんは。院長の児島です。
“歯科ドック始めました”
暑くなってきて冷やし中華的なノリで書いていますが、実は歯科ドックってすごく有用なのです!
これまで、初診で治療をしない理由やCTが最強など断片的に治療に入る前の検査の重要性を書いてきました。
当院では保険診療でも可能な限り余計な侵襲をなくすために、口腔内写真や6点法歯周検査、パノラマエックス線写真を撮影して一度全体の状況を把握してから治療にあたります。
しかし、本当はまだ足りない!!
今のお口の中の状況っていうのは、今日昨日で作られたものではありません。
子どものころから長い年月をかけて作られてきたあなた独自のお口の中の環境なのです。
なので、一概に虫歯や歯周病といっても、生活習慣が原因なのか、かみ合わせが原因なのか、お口の中の菌叢が原因なのか、初診の状態ではわかりません。
原因がわからなければ、たとえ虫歯や歯周病を治療したとしても、また罹患してしまいます。
原因を的確に突き止めるためにはたくさんの情報が必要です。その情報を得るためにたくさんの検査が必要なんです。
現在でもなお、日本の歯科というのは対処療法といって、「痛み」や「腫れ」などの症状に対する処置を行うのみなことが多いです。
しかし、歯というものは削れば削るほど寿命が短くなってしまいます。なので、再治療をしないようにすることこそが、歯を長持ちさせる秘訣なんです。
治療に至らないようにすること、治療に至ってしまった状態からでも、再治療に至らないようにすること。これこそが当院が大切にしている予防歯科の考えです。
では、予防歯科を行っていく=治療や再治療に至らないようにする、にはどうすればいいでしょうか。
現在、虫歯や歯周病になってしまった本当の原因を突き止めなければいけませんね。
そのための検査が歯科ドックです。歯科ドックって何するの?
今からご紹介します。
歯科ドックではまずレントゲンをたくさん撮ります。
パノラマエックス線写真(一番ざっくり全体を把握するレントゲン)
デンタルエックス線写真(歯を一本一本精密に虫歯や歯石の付着部位などを確認するレントゲン)
CT(3次元的に見えるので神経や上顎洞との距離感や、パノラマやデンタルに写ってこなかった虫歯や根先病巣を確認できるレントゲン)
こんなにいる?!と思うかもしれませんが、これだけ撮影してやっとほぼ完ぺきに歯や骨の状態を確認することができます。
そして次にお顔とお口の写真
お顔の写真(正面、横顔、スマイル時のお顔を撮影することによって、体の癖がないか、左右どちらかに傾いていないか、噛み癖までも予想することができます。)
お口のお写真(現在の歯の色や、補綴修復物の適合、歯並びなどを確認できるので、今後どうすれば改善できるかの指標になり、患者様のモチベーションの維持にも一役買っています。)
次に、歯周組織検査。
これは保険の初診時でも行いますが、歯ぐきの健康度や歯周病の進み具合を測っています。
歯周病という病気は歯ぐきや歯に付着した歯垢(プラーク)によって歯を支えている歯槽骨が溶かされてしまう病気なのですが、歯ぐきが炎症して赤くなったり腫れたり、出血したりします。
歯周組織検査での数値が悪い時は、お口の中が病原菌でいっぱいの状態です。歯周組織検査というものは歯周病の進み具合を測るだけでなくお口の中の環境を表す指標にもなるんです。
まずはお口の中の環境を整えて悪い菌数を減らさないと、虫歯や根の治療をしても治りにくくなったり、すぐに再発したりしてしまいます。
という理由から私たちは、まずいきなり治療をするのではなく、検査→歯周治療→歯を削る治療という順番で治療を進めたいと考えております。
まだまだ項目はあるのですが、少しずつ検査の重要性を把握していただきたいので続きはまた今度 😛
皆様素敵な夜をお過ごしくださいね!