初診で治療をしない理由
- 2023年5月16日
- 検査が重要
こんばんは。院長の児島です!GWも終わり、だんだん初夏感が増してきましたね 😛
私は春、初夏、夏が幼いころから大好きなので、今年も自分史上最高の初夏~夏を過ごそうと今からワクワクしています!
さてさて、あずさ歯科クリニック麴町は5月1日に開業したばかりなので、現在は新規の患者様が多いです。
初めてお越しになる患者様はそれぞれのお悩みを抱えておられます。
耐えられないほどの痛みだったり、耐えられるけれど慢性的な痛みだったり、違和感だったり。
当院では初診でお越しになった患者様にはまずお口の中の状況を大まかに把握するための検査をさせていただきます。
どんな検査をするのかというと、
口腔内診査、パノラマエックス線写真、口腔内写真撮影、歯周組織検査6点法 をまず行います。
そして大まかに現在お口の中がどのような状態にあるのか、どのような問題を抱えていそうなのかを把握します。
これらの検査をするには当然ながら時間がかかってしまいます。
お悩みを抱えてこられた患者様には少々歯がゆいお時間かもしれません。
しかし、この最初の検査が実はとても大切なのです。
これから、なぜそれらの検査が絶対必要なのか、という理由をお話しますね。
①痛みの原因の場所を特定する必要がある
歯は成人で親知らずを除いて28本あります。
「なんとなく左下がしみるな、痛いな」と思っていても、
それがどの歯が原因なのかわからないと治療ができません。
そして、間違った歯を削ったり、神経を抜いたりしないように確実に原因の場所を特定しなければいけません。
②場所が特定できたら、次に痛みの診断をする必要がある
原因の場所が特定できても、今度はその歯がどのような病気で痛みを発症しているのか特定できないと治療ができません。
例えば、左下の一番奥が噛んだら痛い、としましょう。
その噛んだら痛い、という情報だけでは、噛み合わせが原因なのか、歯周病が原因なのか、根の病気が原因なのかわかりません。
なので詳しく検査をする必要があるんですね。
そして今度はその日に削ったり詰めたりしない理由です。
(もちろん、耐えきれないような痛みを抱えて来られた方には痛みをとるための応急処置を行います。)
それも一つずつご説明していきますね。
①お口の中の環境を整えてからの治療がベスト。
お口の中にはたくさん菌がいます。そして虫歯や歯周病、根の病気は細菌感染によって起こります。
その治療をするにあたって、周りにたくさん菌がいる状態の中で行うと何が起きるでしょうか。
それは…
治療してるはずなのに、新たな細菌感染が起こり、最悪治らなくなる
想像してみてください。不潔な場所で手術すると考えると怖すぎますよね。
新たな細菌感染のリスクを減らすためにも、最初にお口の中のクリーニングをして菌数を減らすことはかなり重要なことなのです。
②侵襲の少ない治療法から行うことによって治療によって歯を痛めるリスクを減らせる。
永久歯って一度削ってしまうと再生しないんです:cry: 神経も取ってしまうと戻すことはできないんです 😥
先ほどの例をあげてご説明すると、左下の奥歯が噛んだ時に痛い。根の治療とかみ合わせの問題が疑われる。
こういう時は、まず噛み合わせの調整で様子を見ます。
そして、それでも治らなかったら、被せものを取って根の治療をします。
なぜなら、被せものを取る時は、少なからずご自身の歯も削ることになるからです。
再治療をすればするほど、歯をどんどん削ることになり、歯の寿命は縮んでいきます。
もし侵襲の大きい治療からしてしまうと、本来侵襲の少ない治療で済んでいたかもしれない歯に大ダメージを与えることになってしまうのです。
恐ろしいですよね。
なので、そういうリスクを減らすためにも、私たちは検査を大切にして、侵襲の少ない治療から行っていきます。
「早く治療してくれたらいいのに」と思われる気持ちはすごくわかるのですが、
ご自身の歯の健康のためにも、ちゃんと検査をしてから治療することが必須であることをご理解いただければ嬉しいです。